キンミヤ焼酎

キンミヤ

ホッピーファンとしては、まずはこれを取り上げざるを得ません。さて、キンミヤ焼酎、正式名称は『亀甲宮焼酎』。三重県四日市市にある株式会社宮崎本店で作られています。原材料は糖蜜のみの表示。鈴鹿川の伏流水を使用。およそ酒造りは、水に始まり、水に終わると言っていい位ですので、この焼酎の旨さは、水によるのかもしれません。
正直言うと、この焼酎は生で飲んでみた限りでは、あまり他の糖蜜だけで作られた甲類焼酎と、味の違いがよくわかりませんでした。しかし、ひとたび、ホッピーやサワーにして飲んでみると、はっきりとその旨さを堪能できます。特に、ホッピーで飲むと、絶妙な味のバランスというか、他の焼酎と比べて、ホッピーの味を最も活かし切っている感じがします。サワーで飲んでも、控えめなのに、しっかり存在感のある、頼もしい伴侶。 そんな形容がぴったりです。うーん、恐るべし、キンミヤ!
価格:宮崎本店のネット上では1,441円(1,800ml)。入手は地域によっては困難かも。          《2010年11月記》





鏡月グリーン

鏡月

韓国製甲類焼酎としては、JINROと並んでもっともポピュラーな鏡月。サントリーが輸入販売しています。鏡月には、実は3種類あり、よく飲まれている『鏡月グリーン』の他に、『鏡月プレミアム』、『鏡月ソクラサン』という製品もあります。今回取り上げるのは『鏡月グリーン』の25度版。全国、どこででも入手は容易でしょう。雪岳山(ソラクサン)系の天然水を使用と銘打っており、水にはこだわっているようですね。
ところで、韓国では、希釈式焼酎(日本の甲類焼酎にあたる)の原料であるエチルアルコールを、韓国政府が一括管理しており、米、麦等の原材料も政府の決定により製造され、メーカーに支給する形になっています。すなわち、もととなるアルコールは共通であり、味の差は、結局、割り水と、添加物で決まるということです。なるほど、これで納得がいったのですが、日本の甲類焼酎に比べて、鏡月は味がかなり明確です。まず感じるのは酸味が強い。スッキリはしていて、美味しいですが、割って飲むより、ロックなどストレートで飲んだほうが、映えるように思います。もともと韓国国内でも、ストレートで飲むのが普通なのかもしれません。ホッピーで割って飲んでもよいのですが、キンミヤのホッピーと飲み比べてみると、味の個性が強いため、好き嫌いが出そうです。      《2010年11月記》

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極上宝焼酎

極上宝焼酎

『宝焼酎』といえば日本の甲類焼酎の雄。ブランドもポピュラーな『宝焼酎』のほか、『極上宝焼酎』、『純』、『レジェンド』など数多く、度数も25度、20度、35度版等を取り揃え、ラインアップは、まさに〝甲類焼酎連合艦隊〟を思わせる布陣です。
もともと『宝焼酎』は、製法もこだわっており、サトウキビ糖蜜を原料として、「連続式蒸留機」で繰り返し蒸留を行い製造した焼酎と、大麦・トウモロコシを原料として、単式蒸留で製造し、熟成させた焼酎をブレンドしています。取り上げたのは、『極上宝焼酎』。この極上は、通常の『宝焼酎』と比べて、樽貯蔵した熟成酒が3%ブレンドされており、飲んでみると、明らかに香りや甘味に違いを感じます。糖蜜だけを材料としたものが、やや味気なく感じるのに比べると、複雑な味わいです。そのままで飲んだほうが美味しい。ホッピーとは味がぶつかる感じで、もともと美味しい酒だけに、ちょっと勿体ないかも。      《2010年11月記》

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大五郎

daigorou

「むーかしの友は、いーまも友ー、おれとおまえと、大五郎~」
あまり聞かなくなりましたが、このCMソングは、結構印象に残っています。『大五郎』はアサヒビールが販売元です。原材料も糖蜜のみ。割って飲むことを想定して、本来の甲類焼酎らしい個性の薄い味になっています。生で飲むと、本当にかすかな甘味のあるアルコールといった印象です。したがって、当然ながら、どんなもので割っても破綻がありません。割るものの味がそのまま出ます。ホッピーで飲むと、キンミヤ版と比べて、やや線が細いという印象です。ちなみに、味の濃い、トマト主体の野菜ジュースなどで割って飲むと、もうゴイゴイいってしまう怖さがあります。     《2010年11月記》

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どんなもん大

donnamondai

『大五郎』と同じアサヒビールが販売。しかし、この『どんなもん大』、〝富士山の深層地下水使用〟と謳われており、大五郎とは製法が違うようです。私は、この『どんなもん大』の方が、『大五郎』より微妙に美味しいと感じていました。同じアサヒの甲類焼酎で、なぜこんな相違があるのか、ググッてみたところ、そもそもアサヒの焼酎販売は、協和発酵工業の酒類製造販売部門と、旭化成の酒類製造販売部門を、それぞれ買い取って始めたことが分かりました。現在は、アサヒの子会社になったニッカウヰスキーが製造していますが、この『どんなもん大』は、旭化成の流れを汲む焼酎で、一方『大五郎』は、もともと協和発酵の流れからの商品です。
ところで、さらに面白いのは、ホッピーでキンミヤと並ぶおすすめ定番焼酎に、『源氏』という商品があります。これもアサヒが販売していますが、実は、これもかつては旭化成で製造されていたもので、さらにその源流は、伊豆の大仁にあった東洋醸造という会社が製造元でした。
この会社は、旭化成と合併してすでにありませんが、『どんなもん大』は、この東洋醸造で造られていた焼酎から、製法や味のデザインを受け継いでいるのではと推定されます。そのため、あえて富士山の深層地下水を使用しているのではないでしょうか。事の真偽は定かではありませんが、いやはや、たかが甲類焼酎といっても、なかなか奥が深いですね。ホッピーも『大五郎』版より、『どんなもん大』版の方が私は好きです。     《2010年11月記》

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