HOPPY、あるいは居酒屋に関する、おすすめBOOK REVIEW。気ままに更新しています。
なお、写真をクリックすると、アマゾンの該当ページにジャンプします。
『社長が変われば、社員は変わる!』
もともと、ホッピーだけではなく、その製造元ホッピービバレッジ社にも、興味を持ったキッカケは、『ルビコンの決断』というテレビ東京の番組で、同社の3代目女社長、石渡美奈さんの奮闘ぶりを見たのがきっかけです。
この人は創業者の孫で、ホッピービバレッジ社の経営を立て直した立役者として、昨今、さまざまなメディアに取り上げられていますので、ご存知の方も多いことかと思います。
さて、自らを〝空飛ぶ看板娘 ホッピーミーナ〟と自称する彼女。本書で、悪戦苦闘の末、売上を7年間で4倍にし、沈滞していた会社を活気溢れる会社に生まれ変わらせた、その過程を赤裸々に語っています。
ビジネス書は好きで、結構いろいろな本を読みますが、本書の魅力はやはり、彼女自身はもとより、社員の生々しい失敗や成功の実体験が、ドラマチックに語られていることです。実践して失敗や成功も経た上で、これは!と思えるノウハウも、惜しみなく語られています。たとえば、
○サンクス葉書:社員が結果を出したときに、手書きで送るメッセージハガキ。普通に切手を貼って投函する。社員の家族の目にも触れることで、家族が喜んでくれる。本人のモチベーションもアップ。
○ボイスメール:伝言ボックスに自分の音声メッセージを送信。文字だけでは伝わらない意図や思いを伝えるのに抜群の効果あり。1対多でも使えるのがミソ。
○パクリの勧め:仕事に関し、オリジナリティにこだわらず、社内外を問わず、良いと感じた他者のノウハウをパクり、それを仕事の効率化や成果に結び付けてゆく。社内で、パクリ大賞という表彰制度を設けているのもうまい。
などなど、他にも盛りだくさんのアイデアが紹介されています。とにかく読んでいて、本当にこの人は、ホッピーと社員を愛しているんだなぁと納得させられます。ビジネス書というより、ノンフィクションとして誰にでもお勧めします。 《2010年11月記》
『ホッピーの教科書』
前掲『社長が変われば…』に比べて、本書はビジネス書的体裁に、大きく振った内容です。
取り上げているエピソード等は、重複しているものが多いので、どちらか一冊でも構わないのですが、生々しい情景が目に浮かびやすいのは前掲書です。ただし、ビジネス書としてノウハウを吸収するために読むのなら、見出しや写真に工夫が凝らされた、本書の方をお勧めします。 《2010年11月記》